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狂熱 6


「今、送ってもらってるのはホテルなんですよ」
「ホテルって、だれかメンバーが待ってるんですか……」
「いぇ、まだです」

桜はなんでもないように言うが、まだが、原田は気になる。

「そのホテルの一室をオフィスとして借りましてスタートするんです。それでどうせなら、そのホテルを寮にしてメンバーも住ませようかと思いまして」
「いいですね。それいい」

不特定多数の人が出入りする。密会にはうってつけだ。

「麻衣もそこに住ますんですか」
「もちろんです」
「それは、麻衣は知ってるんですか」
「まだです。明日逢っても、それは言わないでください」

明日、麻衣に逢えるかもしれないではない。逢うのは確実のようだ。今日は麻友と逢う。やはり桜を敵にはできない。

「わかりました。ぜったい言いません」
「ふふっ、ありがとうございます」

やはり桜を不機嫌にしてはいけない。

「あっ、そこのホテルです」

目的地に到着しました。カーナビの音声の前に桜が言い、指をさす。
原田は桜の指先を見た。ビジネスホテルに毛の抜けたような、薄汚い雑居ビルのような建物が眼にはいった。
こんなホテルなんですか。もちろん言えない。
看板には、ホテル乃木坂とある。

〔 目的地に到着しました 〕

そのタイミングでカーナビの音声が。原田はオフにした。

「原田さん、今日のご予定はないと、そう言いましたよね。もしよければ、ご相談に乗っていただきたいのですが……」
「麻衣が参加するあたらしいアイドルグループについてですか、そうですね」
「ふふっ、もちろんです」

言いにきまってる。ことわる理由など、どこにもない。

「このホテルの駐車場はどこですか……」
「ないですね。そこら辺のコインパーキングにおねがいします」

そんなホテルをオフィスに。しかも新しくたちあげるアイドルグループのメンバーたちを住まわせる。つまり寮にするということだ。
ここはやめたほうがいいのではないでしょうか。
当然、原田は、そう思うが、ちがう意見もある。

「ホテル富士山のように、地下駐車場がある。それだとだれでも出入り自由。でも、このホテルでは無理。さすが桜さんですね。そこまでかんがえて、ここを選んだんですね」
「ふふっ、そこまでは、でもそう言われたら、ここを選んだのは正解だと思います」
「それに、もう一つ、BSD47に負けないアイドルグループ、それはちがう気がします」
「どういうことでしょうか……」
「BSD47に負けないグループとして発足する。それはどうでしょうか、その時点で負けてる気がします。もちろん追いつけ追い越せ、そういう意味でしょうが、ちがう気がします」
「では、どうすればいいと」
「どうせなら、BSD47のライバルくらいにしたらどうですか、コンセプトとしては……」
「ふふっ」

言ってよかったと原田。桜の眼が輝いている。




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